2015年12月27日

NEX-5のIR改造

今年の6月以降に投稿した私の天体写真データをよく見ていただくと、撮影に使ったカメラが「NEX-5」から「NEX-5R」に変わっていることにお気づきでしょうか。
実は、長年使っているNEX-5が、数年前からコントロール・ホイールの方向キー機能の調子が悪く、思い通りに操作ができずにイラついていました。そこで、修理依頼を考えてメーカーのホームページで調べたところ、何らかの修理を行った場合は最低でも¥15,000ということでした。ところが、一年前の「前橋カメラ大中古市」で中古カメラ(ジャンクではありません)の値段を確認したところ、NEX-5はシリーズ最初の古い機種ということもあって、ボディーが\12,000で売っているではありませんか。それならばということで、次回の中古市で中古ボディーを購入することにしたのです。
予定通り6月の中古市で中古ボディーを探してみると、NEX-5は¥9,800になっていましたが、NEX-5Rが付属品すべてそろった状態で¥20,000で売っているのに目移りして、こちらを購入することにしました。
その段階で私の頭の中に「NEX-5のIR改造計画」がよぎっていたのは言うまでもありません。

天文ファンならばデジカメの「IR改造」が何を意味するか分かると思いますが、ご存知ない方のために少し説明しておきましょう。
かつてのカメラのフィルムに相当するのが、デジカメでは撮像素子と呼ばれる半導体です。この撮像素子は赤外線に対する感度が非常に高いので、そのままではカラーバランスが大きく崩れてしまうため、撮像素子の前に赤外線をカットするフィルターがついているのです。
一方、星空の中にはHα線という赤外線を出している魅力的な姿をした天体が多数あり、それらの天体を撮影するためには赤外線をカットしてしまうことは非常に不利な状態なのです。そこで、この赤外線カット・フィルターを外してしまおうという「IR改造」が、一部の天体写真マニアに広がってきているのです。もちろん改造のリスクは大きく誰にでもできることではないので、天文ファンを相手にIR改造を引き受けている業者に頼むのが一般的です。

さて、NEX-5のIR改造ですが、上記のように理屈はとても簡単で、要するにカメラを分解して赤外線カット・フィルターを外してしまえばよいわけです。ジャンク・カメラの分解を趣味とする私にとっては、これに挑戦しない手はありません。そこで、きっと同じようなことを実行している人がいるに違いないと思い、ネット検索してヒットした中で参考にしたのが以下のサイトです。
https://www.youtube.com/watch?v=9jMtBbTqCOs
http://galaxym31.naturum.ne.jp/e1670927.html
この場を借りて、感謝いたします。

それでは、以下に私の改造例を簡単に紹介しましょう。もちろん、すべて自己責任です。これを真似してカメラを壊してしまっても、一切責任を負いませんのであしからず。分解方法については、意識的に詳細な説明をしていませんが、カメラを壊してしまう覚悟がないのならば、絶対に行ってはいけません。

必要な技術:カメラや時計の分解、組み戻しの経験
必要な知識:精密機械や電子機器の構造や基本原理
必要な工具:精密ドライバー、ピンセット、カッター、ガラス切り
と、思い切りハードルを高くしておきますが、実際に一番必要なものは、何が起きても「まあ、何とかなるさ」という図太い神経といい加減な性格かもしれません。

1.ネジの位置を確認し、その役割を推察する
Step-01.JPG

2.カバーを分解するためのネジを外す
Step-02.JPG

3.カバーの取り外し
 無理な力をかけないように注意し、液晶画面部をすり抜けさせて外す。
Step-03.JPG

4.液晶画面ユニットを分解するためのネジを外す
 この時もネジの位置を確認し、その役割を推察する。
Step-04.JPG

5.液晶画面ユニットを分解した状態
 矢印で示したパーツが、分解時のロック・キーとなっている。
Step-05.JPG

6.電子基盤の取り外し
 基盤につながっているフラット・ケーブルをすべて外すこと。
Step-06.JPG

7.撮像素子ユニットの取り外し
Step-07.JPG

8.電子基盤、撮像素子ユニットを分解した状態
Step-08.JPG

9.撮像素子ユニットを分解するためのネジを外す
Step-09.JPG

10.撮像素子ユニットを分解した状態
Step-10.JPG

11.赤外線カット・フィルターと代替えフィルター
 赤外線カット・フィルターは両面テープで接着されているので、カッターで注意深く剥がしとる。
 このとき、撮像素子との間にスペーサー(黒い枠)があるが、代替えフィルターの厚みの関係で
 このスペーサーごと外し、代替えフィルターを両面テープで撮像素子に直接接着した。
Step-11.JPG

※代替えフィルターについて
赤外線カット・フィルターを外してしまうと、ピントを結ぶ位置が変わってしまうため、そのままでは無限の位置のある星にカメラレンズでピントが合わなくなってしまいます。分かりやすい例でいうと、水の底に見える物体が、水を抜く前と後では見た目の位置(深さ)が変わることが分かります。これは、水の屈折率のために起きる現象で、フィルターのガラスが無くなると焦点を結ぶ位置が変わってしまうのです。これを補うために、代替えフィルターが必要なのです。ただし、天体望遠鏡に直接カメラ・ボディーを取り付けて撮影することに限定すれば、この処置は必要ありません。
この代替えフィルターですが、やはり光学的に優れた品質のものを使う必要があるため、11月の「中古市」にて¥200でこのためにプロテクター・フィルターを購入し、これをカットして使用しました。
Step-12.JPG
フィルターの大きさは、実際にカメラを分解しないと分からないので、分解後にカット作業を行いました。
したがって、カメラの組み立て作業は翌日に行い、2日がかりの作業となりました。

さて、分解以上に難しいのが組み立て作業です。先に紹介したブログにも書かれていましたが、分解の途中でどこからともなく金属部品がこぼれ落ちてくることが多々ありました。そんな時に役立つのが、分解途中で逐次記録写真を撮影しておくことなのです。また、外したフラットケーブルを元に差し戻すのも至難の業です。
とにかく、トラブルの発生は組み立て時のほうが圧倒的に多いことを、肝に銘じておくことです。そして、そんな時に役立つのが経験であり、「まあ、何とかなるさ」といういい加減な性格なのです。
実際に、私も致命的なトラブルに遭遇しましたが、何とかしのいでしまいました。そして、最終的に何一つ部品を余らせることなく、再組み立てを終えることができました。

組み立て後に通常の撮影をすると、当然ながら全体的に赤っぽい画像になりましたが、ホワイトバランスをマニュアルで設定したところ、白昼のもとでは修正しきれずにエラー表示は出ましたが、かなり改善することができます。また、一番肝心な天体写真ですが、前回の投稿で紹介したように、オリオン座の「燃える木」や「馬頭星雲」と呼ばれる赤い星雲を、この市街地でも何とか写すことができました。
20151218_馬頭_FC-76D+Reducer_NEX-5_IR.jpg

その後、月がどんどん太ってきて空が明るくなってしまっているため、月明かりの影響がなくなるまでもう少し我慢して、写真撮影を再開したいと思います。そして、良い成果が得られましたら、またこのブログに投稿いたします。
posted by マサちゃん at 23:05| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月23日

気ままに天体写真(12)

今年の夏は、本当に晴れが少なかったですね。しかも、久々に晴れたかと思うと、夜になると曇ってしまうというパターンも多く、天文ファンにとっては滅入ってしまうような日が続きました。
たとえば、こんなに美しい夕焼けが見られても、そのまま夜は曇ってしまうのです。
20150701_夕焼け.JPG
と、天体写真の投稿が途切れていた言い訳をしておきましょう。

それでは、前回の投稿写真以降に撮り溜めた数少ない天体写真を、年内に投稿しておくことにしましょう。

●6月29日の月
最近は、月の写真はFC-76Dで撮影しているのですが、久々にμ-180の直焦点で撮影しました。μ-180は焦点距離が長いため、APS-CサイズのNEX-5では直焦点といえども月全体を1カットの収めることができません。そこで、3カットに撮り分けて、Photoshopで1枚に合成しました。
20150629_μ180_P-focus_x3_NEX-5R_1000.jpg

●7月31日の月
この日は7月内で2度目の満月ということで、野鳥観察用のフィールド・スコープを使って記念撮影的な意味でお手軽に満月を撮影をしておきました。
今年は7月2日が満月だったのですが、月の満ち欠けの周期は約29.5日なので、7月31日にもう一度満月となったわけです。つまり、30日以上の月ならば同じ月齢がその月内に2回あるのは特に珍しいわけではないのですが、それが満月ということで、何だか特別な日のように扱われていたのです。
20150731_FullMoon_FieldScope_NEX-5R.jpg

●9月22日の月
いつものようにFC-76Dで撮影した月です。
アイピースで少し拡大撮影をし、3カットに撮り分けてPhotoshopで1枚に合成しました。
20150922_FC-76D_NEX-5R_3mosaic.jpg

●10月20日の月
同じくFC-76Dで撮影した月ですが、こちらは1.7倍のエクステンダー(CQ1.7×)を使って、直焦点撮影したものです。つまり、複数カット合成なしの1カット画像です。
20151020_FC-76D+CQ17xP-focus_NEX-5R.jpg

今シーズンの土星に関しては、観測好機の高度が低かったのに加えて前述のように天候も悪かったため、撮影チャンスは本当に少なかったという印象です。そんな数少ない中の2点をご披露します。

●6月29日の土星
この写真は、μ-180にデジタルビデオカメラのCX12を使って撮影した動画を、RegiStaxで画像処理したものです。NEX-5Rの動画モードより感度が高いので、拡大率の高い画像が得られますが、色の再現性は少し劣ります。
20150629215129_μ180_Or125_CX12.jpg

●7月21日の土星
この写真は、μ-180にデジタルカメラのNEX-5Rを使って撮影した動画を、RegiStaxで画像処理したものです。CX12より感度が低いものの、色の再現性は良いと思います。
201507210817_μ-180_Or125_NEX-5R.jpg

●7月22日の金星
ちょうどこのころ、内合をひかえて金星が三日月形に大きく見えているため、撮影チャンスを待っていました。しかし、太陽に近いため日没時の高度が低いので、我が家のベランダから見ることができません。そこで、良く晴れたこの日に昼間の撮影に臨んだのです。
昼間の金星導入方法は、事前に太陽と金星の位置を調べて置き、まず太陽を望遠鏡視野内に導入した後目盛環の指標を事前に調べた目盛に合わせ、金星の位置を目盛環で読み取って導入すればよいのです。金星はとても明るいので、ファインダーの視野内に肉眼でとらえることができるので、後は微動操作で望遠鏡の視野中央に導入することができます。(最近の赤道儀ではコンピューター・コントローラーで簡単に導入できるようですが…)
20150722133501_FC-76D+CQ17x_Or125_NEX-5R.jpg

7月25日は、地元の中学校の天文台で、天体観望会のお手伝いをしました。
PENTAX の20cm屈折式赤道儀という恵まれた機材で、月と土星を楽しんでいただきました。

●月(月齢9.4)
さすがに、大口径屈折式望遠鏡の威力を発揮しています。
20150725_Moon.jpg

●土星
高度が低かったこともあって、この機材にしては平凡な仕上がりの画像となってしました。
撮影機材の選択などにも悔いが残り、私としては期待外れの失敗作です。
20150725204711_Pentax200_Or12_NEX-5R.jpg

11月に入ると、さすがに晴れの日が多くなりましたが、それでも例年のような冬晴れにならないのが、もどかしい限りです。以下は、そんな中で撮影した数少ない天体写真です。

●M31(アンドロメダ大星雲)
最近挑戦している、市街地での星雲撮影です。今回も DeepSkyStacker というソフトを使って多数枚をスタック処理して淡い画像を浮かび上がらせ、最終的にPhotoshopで仕上げています。
20151103_M31_800.jpg

●M33(三角座の渦巻き星雲)
M31に引き続き、M33も撮影しました。
20151103_M33_1600.jpg

M31もM33も市街地で撮影しているためバックグラウンドが明るく、DSSで画像処理すると全体が真っ白になってしまい、色気がほとんど飛んでしまいます。(単にDSSの使い方が分かっていないだけかもしれませんが)
そこで、このたび思い切った行動に出ました。その成果の第1弾が次の写真です。

●オリオン座の燃える木と馬頭星雲
以前は、かなり透明度の高い日に撮影した画像をDSSで画像処理し、必死に画像を引き出したのですが、今回の画像処理は、Photoshopにより2枚の画像を重ね処理しただけです。しかも、当日は上弦前の月明かりが残る環境でした。
20151218_馬頭_FC-76D+Reducer_NEX-5_IR.jpg

次回は、この思い切った行動について、投稿することにしましょう。
posted by マサちゃん at 17:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 天文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月06日

2015年11月の「前橋カメラ大中古市」

2015年11月22日、恒例の「前橋カメラ大中古市」に行ってきました。
この大中古市は、6月と11月(昔は12月でした)の年2回あり、その規模の大きさは日本一と言っても過言ではないでしょう。

私はジャンクが大好きで、興味のない人にはただのガラクタですが、大量のジャンク品を見ているだけでもワクワクします。残念ながら会場内の撮影は禁止になっているのでお見せできませんが、カメラ雑誌にも毎回レポート記事が掲載されています。
悲しいかな、最近は年金とパート収入で暮らす質素な生活となっているので、予算は1万円以内と割り切って掘り出し物探しを楽しんでいます。

それでは、今年の釣果?の一部をお見せしましょう。

●小型アルミケース(¥2,000)
case.jpg
以前より望遠鏡のアダプターなど、小物部品を納めるケースを探していたのですが、今回ちょうど良い大きさのアルミケースを見つけました。これは、オリンパス・ペンの専用ケースとして売られていた物のようです。

●裁断機(¥1,200)
cutter.jpg
かなり使い古した感じの裁断機です。盤面の大きさは 160mm×240mm、実家には四つ切サイズの裁断機があるのですが、手ごろな大きさが気に入りました。

●クイックシュー付きプレート(¥2,000)
plate.jpg
中判カメラ用に使われていたと思われるプレートで、軽量ながらもガッシリとした丈夫そうなプレートです。少し手を加えて、赤道儀用の小型マッチプレーとして使うつもりです。

●キャノン FD 100mm-300mm/F5.6 レンズ(¥1,000)
●ケンコー スコープ・アイピース(¥1,500)
scope.jpg
スコープ・アイピースは、カメラ用レンズに取り付けて望遠鏡にする商品です。
今までに購入したのは、ミノルタ用(¥500)、キャノンFD用(¥500)で、今回が3つ目となりますが、値段を見てビックリ、どうして急にこんなに高くなってしまったのでしょう。オリンパス用が希少だから?、私がいつも買っているので売れる商品と思った?、単にそのときの気分で値を付けた?、実際はどうなんでしょう。
レンズは、前回買ったキャノン用スコープ・アイピースを使うために購入したもので、変倍正立ファインダーとして使うつもりです。ちなみに私の愛機はニコンなのでミノルタ用はニコン用に改造し、手持ちのニコンレンズに取り付けてハンディー望遠鏡として使っています。また、昔メインで使っていた銀塩カメラがオリンパスOM1であったため、今回そのレンズが使えるオリンパス用スコープ・アイピースを購入したのです。

●ダークバッグ(¥800)
darkbag.jpg
ダークバッグは、フィルム現像を行うときに撮影済みフィルムを現像タンクに装填するときに使うものです。天体写真を始めたばかりのころは銀塩写真時代ですから、モノクロフィルムの現像はよく行っていました。しかし、デジタル時代になってフィルム現像とはすっかりご無沙汰となりました。
しかし、以前この中古市で購入したジャンクカメラで、モノクロ写真撮影を楽しみたくなりました。そこで、昔使っていたダークバッグを引っ張り出してみたのですが、手を入れるところのゴムがボロボロになっていて、遮光の役目を果たしそうにありません。それでは、ということで中古品を探してみたのです。
ジャンク品として販売されている品はポリ袋に封入されていて、外観と値札についている名称で品物を判断しなければなりません。そんな条件で今回購入したのですが、家に帰ってから開いてビックリ、想像の2倍もの大きなバッグだったのです。まあ、大は小を兼ねるということで、実用上は問題ないです。

実は、前回の中古市でも「ダークバッグ」と称する品を購入したのですが、家に帰ってから開いてみると、一見ダークバッグに見えるけれど何だか変なんです。手を入れる部分の片方がゴム構造ではありません。しかも、フィルムや現像タンクの入れ口もファスナーがなく解放状態です。あきらかに、これはダークバッグではありません。
cover-1.jpg
失敗したかに思えたこの製品ですが、先日写真用品カタログを眺めていたら、その正体がわかりました。これは、カメラにかぶせて雨や夜露、霜などを防いでくれるカバーだったのです。しかも、シャッター音を小さくする効果もあるようです。「なるほど、これは使える。」と納得の製品でした。
cover-2.jpg
めでたし、めでたし。

その他、¥200〜¥300 のフィルターやリングをいくつか手に入れて、合計¥9,200の買い物となりました。
次回は、来年の6月開催のはずです。さて、どんな出会いが待っているか、すでに楽しみにしています。
posted by マサちゃん at 23:14| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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