●2017年5月4日の木星
この日は気流が安定していて、木星撮影に最適な日でした。実際、この日に撮影した木星が現時点で今シーズンのベストショットとなり、天文教室でもご披露することができました。また、この写真ではNEX-5Rの動画撮影でデジタルズームができることに気づき、ズームによる拡大撮影を試しました。

【望遠鏡】 タカハシ Mewlon-180+Or18mm
【カメラ】 ソニー NEX-5R ISO3200 拡大投影法+動画ズーム撮影(40秒)
【画像処理】 RegiStax : 1000frame スタック&ウェーブレット処理
Photoshop : トーンカーブ調整、トリミング
●2017年5月19日の木星
この日も4日ほどではありませんが気流が安定していました。今回も動画ズームを併用した拡大撮影を試しました。そのおかげで、FC-76Dでも大きな像を得ることができるようになりました。

【望遠鏡】 タカハシ FC-76D+Or12.5mm
【カメラ】 ソニー NEX-5R ISO3200 拡大投影法+動画ズーム撮影(40秒)
【画像処理】 RegiStax : 1000frame スタック&ウェーブレット処理
Photoshop : トーンカーブ調整、トリミング

【望遠鏡】 タカハシ Mewlon-180+Or12.5mm
【カメラ】 ソニー NEX-5R ISO3200 拡大投影法+動画ズーム撮影(40秒)
【画像処理】 RegiStax : 1000frame スタック&ウェーブレット処理
Photoshop : トーンカーブ調整、トリミング
●2017年6月2日の天体写真
この日は久しぶりに快晴となり、しかも梅雨が近づいているので、これが梅雨前の天体写真撮影の最後のチャンスとなる可能性があるため、ちょっと気合を入れて天体写真撮影に臨みました。
▼月(月齢7.7)
上弦の月を過ぎたばかりの半月です。ここでも新しい拡大撮影方法を試してみました。
拡大系の光学部品を3つもつなぎ合わせてしまいました。
CQ1.7× はFC-76D用の1.7倍エクステンダー
2倍アタッチメント は昔のFCシリーズ用エクステンダーをさらに2倍に拡大するアタッチメント
TC-20E はNikonレンズ用の2倍コンバージョンレンズ
邪道ともいえそうですが、月面撮影に関してはアイピース拡大撮影より良い結果が得られていると思います。
月全体を南部、中央部、北部の3カットに分けて撮影し、1枚画像に合成処理しました。

【望遠鏡】 タカハシ FC76D + CQ1.7× + 2倍アタッチメント + TC-20E
【カメラ】 ソニー NEX-5R ISO800 1/25秒
【画像処理】 RegiStax : 各1枚画像をウェーブレット処理
Photoshop : 3カットを1枚にマージ、トーンカーブ調整、トリミング
Mewlon-180でもFC用の 2倍アタッチメントを併用して撮影してみました。
これも邪道といえますが、月面撮影に関してはアイピース拡大撮影より良い結果が得られていると思います。
月全体を10カットに分けてモザイク撮影し、1枚画像に合成処理しました。

【望遠鏡】 タカハシ Mewlon-180 + 2倍アタッチメント
【カメラ】 ソニー NEX-5R ISO400 1/50秒
【画像処理】 RegiStax : 各1枚画像をウェーブレット処理
Photoshop : 10カットを1枚にマージ、トーンカーブ調整、トリミング
月を撮影した後は木星を撮影したのですが、この日は時が経つにつれてどんどん北風が強くなり、気流もどんどん悪くなってきてしまいましたので、公開できるような写真は撮れませんでした。
その代わり、透明度は真冬のように澄み渡ってきたので、LPRフィルターによる星野写真撮影を行いました。
▼ジョンソン彗星(C/2015 V2)
この日は、ジョンソン彗星が「うしかい座」のアルクトゥールスの近くを通過中で、天頂に近く探しやすい位置にいました。近くに月明かりがありましたが、思いのほかよく写りました。これで月明かりが無ければもっと尾が写ったはずです。

【望遠鏡】 タカハシ FC76D + Reducer(合成焦点距離417mm)
【カメラ】 ソニー NEX-5(IR改造) ISO1600 30秒×2枚
【画像処理】 Photoshop : 2枚合成処理、トーンカーブ、カラーバランス、レベル調整
▼M8&M20
前回はIR改造の効果を実感することができましたが、今回は前回より低空であったにもかかわらず、画像処理の手間もあまりかけずにこの程度の写真を得ることができました。LPRフィルターの効果を実感することができました。

【望遠鏡】 タカハシ FC76D + Reducer(合成焦点距離417mm)
【カメラ】 ソニー NEX-5(IR改造) ISO1600 30秒×4枚
【画像処理】 Photoshop : 4枚合成処理、トーンカーブ、カラーバランス、レベル調整
▼北アメリカ星雲
これもIR改造効果の撮影対象でしたが、結果としてLPRフィルター付きでの撮影が初トライとなりました。高度もまだ低かったのですが、冬型のような透明度のお陰で何とか形が浮かび上がりました。

【望遠鏡】 タカハシ FC76D + Reducer(合成焦点距離417mm)
【カメラ】 ソニー NEX-5(IR改造) ISO1600 30秒×2枚
【画像処理】 Photoshop : 2枚合成処理、トーンカーブ、カラーバランス、レベル調整
この後は、土星を撮影したのですが、木星同様に残念ながら撮影に耐える気流ではありませんでした。澄んだ星空と安定した気流が同時に得られるチャンスは稀です。一夜であれもこれも満足できるはずがないのですが、貧乏暇なしの状況では限られた時間内で楽しまなければならないのは仕方のないことなのです。